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バフェットが言う摩擦コストとは?バフェットからの手紙を読み解く

投稿日:2019年3月13日 更新日:

どーも、ЯYUです。
世界一の投資家バフェット。
バフェットの言動は世界中のビジネスパーソン、投資家から注目されています。

今回はバークシャーのHPに掲載されている「Warren Buffett's Letters to Berkshire Shareholders」の重要な部分を切り抜いて編纂された『バフェットからの手紙』で書かれている摩擦コストについて考察していきたいと思います。

摩擦コストという概念を知らない人にとっては目から鱗の情報でしょう。
この記事を読めば投資リターンを大きくできること間違いありません。

バフェットが言う摩擦コストによってほとんどの投資家は損をしている!?

Reuters/Shannon Stapleton

まず『バフェットからの手紙』第4章普通株 A売買に関する問題点−取引コストの部分を引用します。
少し長くて読むのが大変かもしれませんが、全て超重要なので理解しながら全部読んでみてください

バークシャーやほかのアメリカ企業を保有する人たちにとって、利益を得るのは長い間たやすいことでした。実際に長期の例を示すと、1899年12月31日から1999年12月31日までの間にダウ平均株価は66ドルから1万1497ドルまで上昇しました( こうした結果をもたらすにはどれだけの年間成長率が必要か考えてみてください。驚くべき答えはこの手紙の最後に書いておきます)。ここまで大きく上昇した理由は単純なことです。この一世紀の間、アメリカ企業は極めて好調であり、投資家はその成功の波に乗ったのです。企業は依然として好調ですが、しかし今や株主は、自らが負った数々の痛手によって、将来投資から得られる利益を大きく減らしているのです。

どうしてこのようなことが起こっているのかについては、基本的な事実から説明を始めなくてはなりません。企業の損失の一部を債権者が負担するような破綻の事例を例外として、全体としての株主が今から審判が下される日までの間に手にすることのできる利益の大部分は、企業全体が稼いだものなのです。事実、投資家Aは、賢明であったのか運が良かったのかは分かりませんが、売買を通じ投資家Bを犠牲として自らの持ち分を上回る利益を得ることがあるかもしれません。なるほど、すべての投資家は株式が値上がりすれば金持ちになったように感じるでしょう。しかし株主が退場できるのは、だれかが自分の立場を引き継いでくれる場合だけです。ある投資家が高値で売れば、別の投資家はさらに高い価格で買わなくてはなりません。株主全体として見れば、企業自体が生みだす価値を超えて、企業から富がもたらされるといった魔法のようなことが起きるわけではないというだけです―宇宙からお金が降ってくるようなことはありません。

事実、株主が得られる利益は企業が稼ぐ利益を必ず下回ります。これは摩擦コストが存在するためです。そしてこれがまさに私の言いたいことなのです。こうした摩擦コストは今や巨額となり、株主の利益を過去に例を見ないほど減らすまでの水準に達しているのです。

このコストがどれほど膨らんだのかということを理解するために、アメリカのすべての企業がある一族によって保有されており、それが将来もずっと続くことを少し想像してみてください。この一族をゴットロック(お金を手にした人々)家と呼びましょう。配当を税引き後で受け取っても、この一族は代々にわたって、企業の稼いだ利益の全体によってますます豊かになっていきます。今やその額は年間約7000億ドルに達します。当然、この一族はこのうちの幾らかを使いますが、手元に残った分からは安定的に複利効果で利益が得られるのです。ゴットロック一族を構成する面々はみんな同じように豊かになり、全てがうまくいっています。

ところが、ここで弁舌巧みな助っ人たちが一族に忍び寄ります。この助っ人はゴットロック一族の面々に言い寄り、一族の中で、誰かから株式の一部を買い上げてだれかに売ることで、一族の他の面々を出し抜くように仕向けます。この助っ人は—言うまでもなく手数料目当てで—喜んでこの取引の処理を請け負うことを承知します。ゴットロック一族は依然アメリカ企業の全てを保有しています。この取引というのはだれが何を保有しているかの入れ替えにすぎません。その利益の額は、アメリカ企業が稼いだ利益から、支払われた手数料を差し引いた額に等しくなるのです。一族のなかで取引が行われれば行われるほど、利益全体に対する一族の面々の取り分は少なくなり、助っ人たちの取り分が大きくなってくるのです。仲介業者を務める助っ人たちはこの事実をよく理解しています。彼らにとっては取引を行うことが重要なのであり、さまざまな方法でそれを促しているのです。

しばらくすると、一族の大半の面々は、こうした新たな「骨肉の争い」のゲームがさほどうまくいっていないことを理解します。ここでまた新たな助っ人が名乗りを上げます。新参の助っ人は、ゴッドロック一族の面々に、それぞれが自力では一粟の他の人々を出し抜くことはできないと説明し、解決策を提案します。「資産運用者−そうです、私たちのことです−を雇って、プロに仕事を任せるのです」。資産運用社を務める助っ人は、取引を執行する際に仲介業者の助っ人も使い続けます。資産運用社は一層活発に取引を行って、仲介業者が一層潤うことすらあるかもしれません。全体としては、今やこの2種類の助っ人たちがさらに大きな取り分を手にすることになります。

ゴットロック一族はさらに大きく失望することになります。一族の面々は、今やそれぞれが専門家を雇っています。しかし全体として、一族の財務状況は悪化に向かってきました。さて、これを解決するにはどうすればよいのでしょうか。もちろん、さらなる援助が必要となるのです。

行き着くところはフィナンシャルプランナーと法人コンサルタントという形態です。彼らはゴットロック一族に対して資産運用社を務める助っ人を選ぶための助言を行うようになりました。混乱してしまっている一族は、この援助を喜んで受け入れます。もはやゴットロックの面々は、適切な株式の銘柄を選ぶこともできなければ正しく銘柄を推奨してくれるコンサルタントを選ぶこともできないことが分かるでしょう。彼らはなぜ適切なコンサルタントを選ぶことができると考えたのか疑問をお持ちになるかもしれません。しかし、ゴットロック一族の面々はその様な疑問など持ちませんし、もちろんコンサルタントの助っ人はそんな女権をすることなどありません。

ゴットロック一族は今や高い金を支払って3種類の助っ人から支援を受けています。彼らは結果がさらに悪くなることに気づき、深い失望の底に沈むことになるのです。しかし、希望がまさに失われたように見えたそのときに、第四の助っ人−最高の助っ人とでも呼びましょう−が現れるのです。この親しげな助っ人は、ゴットロックの一族になぜ満足できない結果しか得られていないのかの理由を説明します。今まで使っている助っ人、つまり仲介業者、資産運用社、コンサルタントへの動機づけが不十分であり、単に形式的に仕事をしているためだというのです。この新たな助っ人は言います。「そのゾンビのような人たちから何が期待できるというのですか」

新参の助っ人は驚くほど単純な解決策を示します。もっと金を出せ、というのです。この最高の助っ人は、ゴットロック一族の面々が他の構成員を本当に出し抜くためには、巨額のボーナスを−固定の報酬に加えて−支払うことこそ必要なのだ、と自信満々に言い切ります。

一族の中でも慎重な人々は、この最高の助っ人には実際のところ、ヘッジファンドやプライベートエクイティといった魅力的な名前の新しい衣装を纏った資産運用社の助っ人が紛れ込んでいるだけではないのかと考えるでしょう。しかし新しい助っ人は、この衣装替えは全て重要なもので、これを身につけることで魔法の力を授かるのだとゴットロック一族に保証します。それはあたかも穏やかな物腰のクラーク・ケントがスーパーマンの衣装に身を包んだときに手に入れる力のようなものだというのです。この説明で落ち着いた一族は、報酬の上乗せを決めました。

そしてこれはまさに今日の私たちの姿なのです。安楽椅子にただ座ってさえいれば、全て株主が手にすることができたはずの利益は、今や膨れ上がった助っ人の一団が手にしています。特に高くついているのは、最近大流行している利益に関する契約です。これは助っ人がずるがしこいか、あるいは幸運であれば利益の大部分が助っ人のものとなり、助っ人が愚かであるか、あるいは運が悪ければ(もしくは詐欺に引っかかった場合には)、一族には損失−そして、助っ人に再起動をかけるための報酬の支払い−が残されるというものです。

このような契約−うまくいけば助っ人が利益のほとんどをせしめ、失敗すればゴットロック一族は損失を抱え、そのような特権を得るための巨額の支払いを行うことになるものです−は相当な数に登りますが、これらを考えると、この一族はもはや性格にはハドロック(お金を手にしていた人々)と呼ぶのが適切でしょう。事実、今日では一族に生じるあらゆる種類の摩擦コストはアメリカ企業の利益の実に20%にも達しています。言い換えるならば、助っ人への支払いを負担することで、アメリカの株式投資家全体では、だれの助言にも耳を貸さずに安楽椅子に座っているだけで手にすることができたはずの利益のわずか80%かそこらしか得られなくなっているのです。

はるか昔、ニュートンは3つの運動法則をまとめ上げました。これは素晴らしい業績でしたが、彼の才能は投資の世界までは及びませんでした。彼は南海泡沫事件で大損をして、「私は星の動きを計算することはできましたが、人類の狂気は計算できませんでした」と語りました。彼がこの損失でトラウマになっていなければ、第四の運動法則を発見していたかもしれません。それは、投資家全体として見れば、運動量が増えれば利益は減少する、というものです。

さて、この手紙の最初で出した質問にお答えしましょう。性格に言いますと、20世紀にダウ平均株価は56.73ドルから11497.12ドルまで上昇しました。これは、複利計算で年率5.3%の上昇になります(もちろん投資家はこれに加えて配当も受け取っています)。21世紀を通じて同じだけの上昇率を達成するには、ダウ平均は2099年12月31日までに−どうか聞いて驚かないでくださいよ−、2011011.23ドルまで達する必要があるのです。
とはいえ、私なら2000000ドルで喜んで手を打ちます。21世紀に入って6年たちますが、ダウ平均は全く上昇していないのです。


いかがでしょうか。
バフェットは摩擦コストが投資家にとってどれだけ痛いかということを説明するために、アメリカの全ての企業がゴットロック一族という架空の一族によって所有されているという話をしました

ゴットロック一族は本来なら長期間でかなりのリターンを得ることができます。
しかし、たくさんの「助っ人」が一族に近づき、一族のリターンはかなり小さくなってしまうのです。

摩擦コストについて、このような架空の話で説明してしまうバフェットのユーモアに感動するのと同時に、非常にわかりやすくてとても納得できますね。

摩擦コストを発生させる主な「助っ人」とは?

Bill Pugliano/Stringer/Getty Images

バフェットが言うには、「助っ人」がゴットロック一族に近寄り、摩擦コストを発生させるということでした。
バフェットは皮肉を込めてそのような人々を「助っ人」と呼んでいるのですね。

では具体的に助っ人とはどのような人でしょうか。
主に以下の2つに分類できます。

  • ブローカー
  • 資産運用者

1つずつ見ていきましょう。


まずはブローカーです。
株式投資をする際、投資家はブローカーを挟まないと取引できません。
取引をする際必ず仲介手数料がかかるのです。

この摩擦コストは取引の回数が多ければ多いほど高くなっていきます
デイトレのように頻繁にトレードするとかなり大きくなってしまうのです。

しかし、近年はネット証券を使えば低い手数料で取引できるためそこまで深刻な問題ではないでしょう。


問題は資産運用者です。
資産運用者こそが摩擦コストを発生させる主犯だと言えます。

例えばアクティブファンド。
投資信託でアクティブファンドに運用してもらうと年の手数料が3%というのも珍しくありません。
アクティブファンドは一流のファンドマネージャー等が運用するため高い手数料を取るのでしょう。

すごい人々に運用されているのだからリターンもすごいはず!
そう思うかもしれません。

しかし実際にアクティブファンドの運用成績は芳しくありません。
下の画像をご覧ください。

モーニングスター “パッシブの巨人”に学ぶアクティブ運用術より

画像から分かるように、多くのアクティブファンドは市場平均に勝てていないのです!
良いパフォーマンスを出せないのに高い摩擦コストをかっさらう。
バフェット流に言うと「究極の助っ人」なのです。

長年莫大なリターンを出し続けているバークシャーのような一流の資産運用者は確かに存在します。
しかし、数はかなり少ないです。

安易に質の低いアクティブファンドのような資産運用者に資産を預けてしまうと、ゴットロック一族と同じ目に遭ってしまうでしょう。
摩擦コストがかなりかさむことになります。

まとめ

バフェットからの手紙で書かれている摩擦コストについて説明してきましたがいかがでしたでしょうか。

摩擦コストが高くなると投資パフォーマンスにかなり悪影響を与えてしまうと言うことがわかったと思います。

資産運用をする際、ぜひ今回学んだことを活かしてみてください。

ではまた!

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